2011年6月8日水曜日

メルトスルーとは

炉心溶融が起こると燃料が原子炉の底に溜まります。
この事は次の二つの問題を引き起こします。

1.燃料は高温なため、原子炉自体を溶かす。燃料が原子炉を溶かし、格納容器に流れ出すメルトスルー
2.燃料が一定量集まると自然に再臨界(核分裂)を始める(制御棒の影響外になるため)。
水があると再臨界は進みやすい。これを抑えるためにホウ酸をいれるが、溶けている燃料が多ければ抑えきれない可能性がある

メルトスルー後に高温の燃料が格納容器に流れだす。
この事は次の二つの問題を引き起こします。

1.格納容器を溶かす。格納容器が溶ければ、放射性物質が完全に外部に露出する。これがメルトダウン
2.高温の燃料が格納容器内の水に接触することで水蒸気爆発を起こす可能性がある。水蒸気爆発が起こると格納容器が破壊され遠くまで放射性物質が大気中に放出される可能性が高い。これが最悪のシナリオ。

大気に放出された放射性物質がどこまで飛散するかは風や天気に依存します。
チェルノブイリでは200キロを越える地点でも雨によって高濃度の放射性物質が運ばれた地域があります
(ホットスポットと呼ばれる)東京は原発から約200Km。